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SGHD 事業会社の海外進出迅速化 体制変更でグローバル拡大

Daily Cargo  2020年5月11日掲載

 

SGホールディングス(HD)は成長戦略として「GOAL(先進的ロジスティクスプロジェクトチーム)の強化と人材の高度化」と「トータルロジスティクスの機能強化」を進める。後者では同業他社やベンチャーなどとの事業連携で領域を拡大するとともに、さまざまな経営資源を活用し、国内輸送拡充、倉庫オペレーション多機能化、国際一貫物流強化、グローバル事業拡大を図る。グローバル事業拡大では、戦略の一部見直しを行い、事業展開を加速させている。国内事業会社が、独自で海外に進出できる体制・評価に変更した。

8日、2020年3月期決算や事業戦略についての説明動画を同社ウェブサイトに掲載した。同動画内で荒木秀夫代表取締役社長が、前期の振り返りや今後の取り組み、現行の中期経営計画について説明した。

荒木社長は近年の安定事業成長を振り返り、要因として「経営効率向上を目的としたIT戦略がある」と強調した。ビッグデータ分析基盤の稼働などで、顧客別・地域別・サイズ別など、荷物1個単位で徹底した採算管理を実現。また、原価・品質・キャパシティーなどを可視化で各種管理項目をコントロールし、場面に応じた最適な戦略を打ち出していることが増収増益の実現につながっているとした。

今後はトータルロジスティクスの機能強化として、さまざまな機能をITを軸に一体化した事業成長を目指す。また、IT武装化した経営資源に加え、同業他社やベンチャーなどの異業種も含めた事業連携を行い業域の連携を図る。

機能強化の一事例として荒木社長は、フィジカルインターネットを挙げた。既存インフラに頼らない最適配送を実現する取り組みで、昨年からテスト運用を開始したという。ベンチャー企業と協業し、GPSによるリアルタイムの可視化、 人工知能(AI)などの活用による顧客ニーズに合った最適配送の実現に取り組んでいるという。1月末に竣工した大規模施設Xフロンティアなどのハブアンドスポーク拠点と両立させ、ネットワークの強度を高めていくとした。

機能強化の一環としてグローバル展開も加速させる。荒木社長は国内事業会社が自由に海外に進出できる体制・評価としたことを説明。これまでのグローバル事業は、エクスポランカを中心としたグローバルフォワーディングの拡大と、日本レーンを中心とした国内外一貫物流/越境ECという2軸で、ホールディングスの海外事業として戦略を進めてきたが、迅速対応を可能にする体制に変更したという。


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