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佐野で保税取得、輸入を一気通貫 / ウイズコロナ時代、新業種に着手

物流業Now!(12)
ILRS&NEWS (Vol.533)
 

南日本運輸倉庫(株)大園社長

 新型コロナウイルス感染の発生後、御社の取り扱う貨物量に変化はあったか。

(大園社長)当社はチルド・冷凍関係など食品が主で、スーパーマーケット向けの比率が多いため一時は貨物量が30~50%増となった。外食関係は1割ほどやっているが、これらは直後に大幅減となったものの今は以前の7~8割まで戻っている。外食は規模を縮小した直後のコロナ禍だったので大きなダメージは避けられた。ただ、全体でみると売上は増えたものの、利益面はまだよくない。



 新型コロナが発生した後、御社はどのような対応をとったか。

(大園社長)感染予防対策としては事務所、現場ともマスク配布やアルコール消毒を徹底したほか、現場ではついたてを作って検温のほか点呼時の非接触に心掛けた。朝礼や会議は4~5月に中止したが、6月からZOOMを導入し、再開した。所長会議はエリア制にして近隣営業所長は集まるが、以遠の人はZOOMで参加してもらっている。電車通勤の社員は可能な限り車通勤に切り替えてもらった。今後もテレワークを導入し活用していきたい。

― 新型コロナが発生して人手不足や採用事情に変化はあったか。

(大園社長)発生後は倉庫内作業の応募者が急に増えた営業所も一部あった。新型コロナで職を失った人が多かったが、あまり長く勤められず、コロナが落ち着いた状態になると辞めていったのが現状である。当社はもともと外国人技能実習生が数十人いて、コロナで航空便がなくなったため、帰国も入れ替え入国もできず、延長して働いてもらっている。一方、ドライバーについては、観光バスやタクシー運転手がダブルワークで流れてくると期待していたが、ほとんどなかった。

 働き方改革など社内の業務推進に影響は出たのか。

(大園社長)昨年から人事制度の見直しを検討しているが、コロナ発生後は現場説明や社内打ち合わせなど多少業務的に滞った。ただ、労働時間についてはコロナに関係なく、有給休暇の取得促進を継続している。

― これからはウイズコロナ時代となるが、それを見据えて今後の方針や計画があれば。

(大園社長)事業としては働く人が継続しにくい業務、例えば機械に替えても省人化できないとか時間が不規則だとか、そのような業務は仕事を減らしていきたい。そうした方向転換の時期に来ている。一方で、国際貨物を増やしていく。昨年10月にオープンした佐野の配送センターに、11月から保税蔵置場を設置して輸入貨物を配送まで一気通貫する体制をとっていく。輸入商社の関係会社と組んで、従来の航空貨物だけでなく海上貨物も扱うべく湾岸地区に拠点を持ち輸出もやっていきたい。海外ではベトナムにネットワークを作って、将来的には当社で働く実習生が自国で働いてもらえるようになればよい。

(聞き手:葉山明彦)


南日本運輸倉庫株式会社
東京都中野区中野4-4-11 第12南日本ビル 10F

代表取締役社長 大園圭一郎
ホームーページ https://mtls.co.jp/

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