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ビッグデータ・AI活用で適正配車 ヤマト運輸/アルフレッサ

Daily Cargo  2021年8月6日掲載

 

ヤマト運輸と医薬品卸のアルフレッサホールディングス(HD)傘下のアルフレッサは、ビッグデータ・AI(人工知能)を活用して配送業務量を予測する「配送業務量予測システム」と適正配車を行う「配車計画システム」を開発し、導入を開始する。両社は先月、「ヘルスケア商品」の共同配送スキームの構築に向けた業務提携を発表しており、その第1弾として取り組む。今月3日、ヤマト運輸が発表した。

配送業務量予測システムは、アルフレッサがこれまでに蓄積した「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータをAIで分析。配送発生確率、納品時の滞在時間など顧客ごとの配送業務量を予測する。AIが学習することで各種予測の精度が向上し、より効率的な配車計画の作成が可能となる。

配車計画システムは、配送業務量予測システムで得られた情報をもとに配車計画を自動的に作成する。これまでにヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用して効率的かつ安定的な配車計画を作成する。配送の業務量が多い時はヤマトグループの保有する配送リソースも機動的に活用でき、これまで以上に安定した配送が可能になる。

両システムの導入で、配送生産性を従来比で最大20%向上させる見込み。配車計画システムでは、従来の固定化されたルートではなく、日々の業務量に応じた最適な配送コースを設定して走行距離と二酸化炭素排出量を最大20%削減する。

そのほか、今回導入するシステムに加えてデジタル機能も活用。アルフレッサがこれまで展開してきた納品時に検品作業が不要な「パッケージ納品」へのシフトを加速させる。従来、医療機関への医薬品の納品時は同社の配送員と医療機関の医療従事者の対面による検品作業が行われていた。この医療機関での対面の作業時間を最大20%削減する。

今月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入する。その後、同社の全国の支店へ順次拡大していく。並行して同スキームのブラッシュアップを行い、業務提携の第2弾、第3弾を推進していく。


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