グラスゴー・プレストウィック/広州白雲空港 中国―英国間貨物で連携強化、EC需要取り込みへ
Daily Cargo 2026年6月15日掲載
グラスゴー・プレストウィック空港(PIK)は10日、広州白雲国際空港(CAN)と覚書(MoU)を締結したと発表した。中国―英国間の貿易レーン強化に向け、貨物事業の拡大、オペレーション面の知見共有、ネットワーク接続性の向上などで連携していく。PIKでは足元で中国・香港発の越境eコマース(EC)貨物を中心に貨物量が急増している。今回の覚書を通じ、アジアからの輸入需要と、スコットランド産高付加価値品の輸出需要を組み合わせた、双方向の貨物モデル構築を進める方針だ。
PIKはこの1年で、アジア発EC貨物の英国向けゲートウェイとしての役割を拡大してきた。併せて、スコットランド産サーモンやウイスキーなど高付加価値品の輸出拠点としても機能強化を進めている。
英民間航空局(CAA)の統計によると、PIKの2025年の貨物取扱量は3万4068トンで、前年の9515トンから約3.6倍に拡大した。英国全体の貨物取扱量に占めるシェアは約1%強にとどまるものの、成長率は高い。ロンドン・ヒースロー(154万9027トン)、イースト・ミッドランズ(38万2747トン)、ロンドン・スタンステッド(29万8567トン)など主要貨物空港とはなお規模面で大きな開きがある。一方、ガトウィック(12万315トン)、マンチェスター(9万4583トン)、バーミンガム(5万9286トン)、ボーンマス(3万6677トン)に次ぐ水準まで伸びており、英国空港の貨物取扱量ランキングではおおむね8位前後に浮上している。混雑する主要空港を補完する、アジア発EC貨物の代替ゲートウェイとして存在感を高めつつある。
中国系貨物航空会社による定期便の拡大が、PIKの貨物量増加をけん引している。PIKには現在、CAN発着便も含め、中国本土発着の定期便が週15便乗り入れている。これに加え、香港線も週3便運航している。
PIKのジュールズ・マテオニ・エグゼクティブディレクターは、「EC需要の拡大、輸送スペースのひっ迫、より短い輸出ルートへの需要が中国と英国の貿易を変えつつある中、今回の合意により、PIKはアジア有数の貨物ゲートウェイと直接連携する基盤を得る」とコメント。
また、「当空港の強みは、滑走路容量の余力を、信頼性の高い貨物ハンドリング、迅速なランドサイドアクセス、双方向で機能する直接的な貿易レーンに結び付けられる点にある。アジア発の英国向け貨物と、スコットランド発の高付加価値海外市場向け輸出の双方を支援できる」(マテオニ・エグゼクティブディレクター)と述べた。
今回のMoUは、PIKが進めるアジア発EC貨物の輸入とプレミアム輸出貨物を組み合わせる戦略の一環。航空会社、フォワーダー、荷主に対し、よりバランスが取れ、直接性と強靱性を備えた貨物輸送モデルを提供する狙いがある。
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