LA市/カリフォルニア州 LA港橋梁改修で大型船対応模索 覚書を締結
Daily Cargo 2026年8月3日掲載
米国のロサンゼルス市とカリフォルニア州運輸庁(CalSTA)、カリフォルニア州交通局(Caltrans)は現地時間7月30日、ロサンゼルス港へのアクセス道路となるヴィンセント・トーマス・ブリッジの架け替えや改修に関する長期的な選択肢を検討するための覚書を締結した。ロサンゼルス港では現在、エアドラフト制限の関係で超大型コンテナ船が入港できるターミナルが限られているが、橋の嵩上げなどを検討することで、超大型コンテナ船の入港にも対応し、港湾の競争力を高めていくことを目指す。
ヴィンセント・トーマス・ブリッジは1963年に完成した。サンペドロ地区とターミナル島を結ぶ橋梁となるが、ロサンゼルス港の主要航路を横断する形で整備されている。老朽化に伴い、現在は大規模な改修工事が行われているが、改修後もエアドラフト制限は185フィート(約56メートル)のままで、超大型コンテナ船の航行を制限している。
具体的には、橋の北側に位置するWBCTとTraPac、YTIの3ターミナルは積載能力1万5000TEU型以上の大型コンテナ船の受け入れが制限されている。3ターミナルでロサンゼルス港全体のコンテナ処理能力の約40%を占めていることから、超大型コンテナ船が寄港できないことで大きな損失につながっている状況だ。こうした中、ロサンゼルス市港湾局はかねてから橋梁の嵩上げを求めており、2万2000~2万4000TEU型クラスの超大型コンテナ船も受け入れられる体制を構築していきたい考えを示していた。超大型コンテナ船が寄港できる体制が整えば、コンテナ船社にとっても基幹航路の一つとなるアジア―北米西岸航路で超大型コンテナ船を投入できるようになり、運航コストの削減や環境負荷の低減につながる。
ロサンゼルス市とカリフォルニア州は今後、覚書に基づいて長期的に最も効果的なヴィンセント・トーマス・ブリッジのあり方を模索していく。計画策定や技術評価、環境審査に重点を置いて検討する。ロサンゼルス港湾委員会の承認を前提として、ロサンゼルス港は代替案の評価に必要な予備設計や環境調査、技術作業に500万ドルの予算を充てる。
カリフォルニア州のトクス・オミシャキン運輸長官は、「健全で強靭なサプライチェーンは、カリフォルニア州の力強い経済を支える。ニューサム州知事の投資により、今後数十年にわたりカリフォルニア州から全米各地へ貨物を輸送するためのインフラを整備し、輸送システムを強化し続けることができる」とコメント。ロサンゼルス市のカレン・バス市長は、「ヴィンセント・トーマス・ブリッジは60年以上にわたりロサンゼルス港の発展に貢献してきた。今こそ未来を見据えた計画を立てる時であり、今回のパートナーシップは港湾の経済生産性を強化し、高収入の雇用を創出し、急速に変化するグローバル市場においてロサンゼルス港が競争力を維持することにつながる」と述べた。ロサンゼルス市港湾局のジーン・セロカ局長は、「カリフォルニア州のパートナーと協力し、安全性の強化、貨物輸送の改善、ロサンゼルス港の競争力維持のための解決策を検討していく。貨物は自然には動かない。ロサンゼルス港には世界最高の労働力が集積しており、彼らはこの象徴的な橋の両側で、それぞれの能力を最大限に発揮できる機会を得る。雇用の創出、よりクリーンな操業、将来世代のためのより強固なサプライチェーンを支える賢明な投資となる」と述べた。
ロサンゼルス港は今後の需要拡大を見込み、コンテナターミナルの機能強化を進めている。APMターミナルズが運営するターミナルが立地するピア400の隣接地に新たなターミナルとして「ピア500」を造成する計画だ。より大型となる次世代コンテナ船の受け入れにも対応していく。今回、長期的なあり方を検討することになったヴィンセント・トーマス・ブリッジと合わせて、船社のニーズに対応し、「選ばれる港」を目指す方針だ。
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