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北中米西岸港 大型船対応を推進 2万TEU超級の寄港も

Daily Cargo  2026年10月5日掲載

北中米西岸港湾で超大型コンテナ船の寄港が増える中、大型船の円滑な取り扱いといった対応能力の向上が課題となっている。米国・ロングビーチ港では9月26日、MSCが運航する2万3656TEU型コンテナ船「MSC NELA」がピアTのTTIターミナルに着岸した。10月5日には2万3656TEU型コンテナ船「MSC ARINA」も寄港する予定だ。ロサンゼルス港では超大型船への対応としてヴィンセント・トーマス・ブリッジのエアドラフト制限の解消に向けた検討が進む。メキシコのマンザニーヨ港では今年、2万4000TEU級の受け入れ体制を整えたほか、カナダのバンクーバー港ではクレーン能力の強化を進め、大型船の荷役生産性の向上を目指していく方針だ。

2万TEU型以上の超大型コンテナ船は従来、アジア―欧州・地中海コンテナ航路などに投入されるケースが多い。一方、足元ではアジア―北米航路の輸送需要が堅調に推移し、短期コンテナ運賃も高水準となる中、北米西岸航路に超大型コンテナ船を投入する動きも出ている。

今回、ロングビーチ港に寄港する「MSC NELA」と「MSC ARINA」は、アジア―北米西岸コンテナ航路「SENTOSA」に投入されている。同サービスの寄港地・ローテーションは、シンガポール―ポートクラン―レムチャバン―ブンタウ―塩田―厦門―ロングビーチ―寧波―シンガポール。これまで同サービスでは米国のオークランドにも寄港していたが、今夏のサービス改編に伴い米国西岸側の寄港地をロングビーチ港に絞っていた。

西岸港湾では現時点で超大型コンテナ船の寄港需要に対応しきれないとの声もある。MSCグループのターミナル事業会社TiLが公表するデータによると、TTIターミナルの岸壁延長は1524メートル、航路水深17メートルで、最大船型は1万9000TEU型としている。一方、今回実際に2万3000TEU超級が寄港しており、公表上の最大船型を上回る大型船の受け入れも進んでいる。足元の運賃高騰のように運賃市況の動向次第では超大型船の寄港が増える可能性がある。近年進んでいる平均船型の大型化も背景に、今後は大型船の安定的な受け入れや同時荷役能力の向上が一段と重要になる。

ロサンゼルス港では今年7月、カリフォルニア州運輸庁(CalSTA)やカリフォルニア州交通局(Caltrans)と、同港へのアクセス道路となるヴィンセント・トーマス・ブリッジの架け替えや改修に関する長期的な選択肢を検討するための覚書を締結した。同港では現在、エアドラフト制限の関係で橋の北側に位置するWBCTとTraPac、YTIの3ターミナルは積載能力1万5000TEU型以上の大型コンテナ船の受け入れが制限されている。橋梁の架け替えや改修によって十分な桁下高を確保できれば、これらのターミナルでも2万2000~2万4000TEU型クラスの超大型コンテナ船を受け入れられる可能性がある。また、新たなターミナルとしてピア500を造成する計画だ。現在、マースクグループのAPMターミナルズが運営するピア400の隣接地に整備する方針で、超大型コンテナ船の寄港にも対応する考えだ。

ロングビーチ港ではピアEのLBCTが超大型船に対応しており、2万3000TEU型コンテナ船を取り扱った実績もある。カナダにおいてはバンクーバー港・GCTデルタポートでメガマックス岸壁クレーンへのリプレースを進めており、大型船対応を強化していく。


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