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IATA AI活用拠点設立、基準照会アプリも

Daily Cargo  2026年3月13日掲載

 

国際航空運送協会(IATA)のブレンダン・サリバン世界貨物代表は10日、ペルーのリマで開催中のワールドカーゴシンポジウム(WCS)で、航空貨物分野での人工知能(AI)活用を加速する方針を明らかにした。具体的には、航空貨物業界におけるAIの安全かつ実務的な導入を推進するため、AI活用推進拠点となる「Air Cargo AI Excellence Hub」を設立する。

サリバン世界貨物代表は、今年1月から推奨方式としている、デジタルデータ共有規格「ワンレコード」に触れ、「これは(航空貨物)業界として進めなければならない数多くのデジタル化施策の一つにすぎない。しかも、そこにはAIの力が加わり、その動きはさらに加速していく」と説明。「貨物エコシステム全体で安全かつ実務に即したAI導入を加速するため、Air Cargo AI Excellence Hubを立ち上げ、さらに基準照会アプリ『AI SME』も導入する」(以下、すべてサリバン世界貨物代表)とした。

AI SMEでは、危険物規則(DGR)などの航空貨物関連基準について、質問に応じて関連する規則や基準を提示する。モバイルやウェブで利用できるアプリで、DGRなどの膨大な規定を参照する作業を効率化し、現場での基準適用を容易にすることを狙う。「モバイルやウェブで利用できるアプリで、現場の担当者が質問を入力するだけで、貨物や安全に関するスタンダード(基準)へアクセスできるようにするものだ。使いやすさを重視した。DGRを扱ったことがある人なら誰でも分かるように、必要な条文や規定の該当箇所を探し当てるだけで、作業の半分を占めることもある。AI SMEは、その作業を大幅に容易にする」と導入メリットを説明。

さらにIATAとして、航空会社間で異なるシステムを使用している場合でも、AIエージェントを活用して予約や運航トラブルへの対応などをリアルタイムで調整できる技術の可能性についても検証を進めているとした。

■輸送品目としても成長分野

AIは航空貨物輸送品目としても急成長分野だ。IATAが同日公表した報告によると、2025年のAI関連貿易は価値ベースで3分の2以上が航空貨物で輸送された。サーバーやデータストレージ装置、メモリーチップなど高付加価値で時間敏感性の高い機器の輸送が増加している。

25年のAI関連貨物の航空輸送件数は前年比20%増となり、価値ベースでは航空輸送貨物全体の53.5%を占めた。重量ベースでは同7%にとどまった。IATAは、世界的なAI投資の拡大に伴い航空貨物の重要性はさらに高まるとの見方を示している。


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