続・徒然日記

2024年問題は運送業界にとって明るい兆しである

2023年3月15日

『続・徒然日記』
砂川 玄任


物流業界にとって、2024年問題は大きな話題とともに、厳しい制約条件になり運送業界の安定輸送にも大きな影響を与える問題として、運送業界のみならず、荷主においても大きな問題として受け止められております。運送業界を知る者にとってかなり厳しい条件であり達成困難であると思われがちですが、果たしてそうでしょうか。

昔の免許事業制度から運送業界はやる気さえあれば一家を支える大黒柱として魅力のある職業でした。しかし、1990年の規制緩和により、運送事業者は6300社余りと5割も増え、車両と荷量はそれほど増えていません。結果として過当競争に陥り、サービス料金は適正に収受される環境がなくなるばかりか、法令順守はなおざりにされ、結果として長時間労働はそのままにドライバーの所得だけが低減されて、いまや、若者に敬遠される業界となっている。この現状は、我々運送業界にとって由々しき問題であり、一事業主ではいかんともしがたい状況であると嘆いてきましたが、ここにきて、ようやく行政も腰を上げ、このままでは日本の輸配送網が維持できないとの判断で、他業種との格差を無くし、職業として重要な役割を持ち、しかも社会に貢献が出来、一家の大黒柱として安心して働ける環境を整備しようと本気で改正に踏み切ったと考えております。

政府の”働き方改革“において、より豊かな社会生活を営む上で必要な労働時間の上限を定める事で、働き方を考え、豊かな人生を送れるようにと理解しております。かくいう私も、運送業界で育った身として、働いてより多くの報酬をもらって何がいけないのだ、働く自由も認めるべきであると!と思いましたが、しかし、社会の成熟とともに働く目的も確実に変わってきている事も事実です。従って、視点を変えれば、他業種との格差を無くし仕事に誇りを持って取り組む為には、如何に生産性を上げて、労働時間を短縮して収益を上げ、ドライバーの所得向上をどのように実現するかは、運送事業者の生き残りをかけた、まさに千載一遇のチャンスと言えると思えます。その為にも、この歴的な転換期の機会に、時間外労働上限の960時間を守るだけではなく、更に、時間評価だけではない独自のドライバー評価制度を構築して、上限いっぱい働いて成果を出す人、定時で働いて成果を出す人、会社の中で自由に選択ができる制度に取り組む事業者が生き残れると考えます。

かの有名な進化論のダーウィンも言っております。強い者が生き残るのではない、変化したものだけが生き残るのだと。国土交通省は公にはしていませんが、約20%の事業者が対応は難しいのではと考えております。私は、もっと厳しいのではと思っております。根拠は、20台以下の保有車両では単独でコンプライアンスを守るのは難しいと考えます。まさに、物流業界にとっては厳しい、長い戦いになると予想されますが、これを、前向きにとらえれば、逆に大きなチャンスとなり、若者が集まり活気ある業界になると確信を持っております。ポジティブに捉え、勇気をもって変化にチャレンジをしていただきたいと願ってやみません。そう考えるならば、対策方法は無限にあります。

著者プロフィール

砂川玄任

主席研究員 企画本部長

職歴
佐川コンピューター・システム株式会社 部長


佐川急便全国統一システム開発に携わった経験から、輸配送を中心とした物流全般の改善や生産性基準(KPI)を使った現場主導型の目標管理に取り組み、大きな実績を上げました。更に物流システムにも精通しており、現場主導の生産性向上のためのシステム導入支援を得意としています。また幹部育成にも自信がありますので、お困りの場合は是非ご相談ください。

無料診断、お問い合わせフォームへ