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花王、和歌山―首都圏でRORO船利用

Daily Cargo  2022年10月18日掲載


花王は14日、和歌山工場から首都圏への製品輸送で、トラックの代替としてRORO船の利用を開始したと発表した。トラックドライバーの長時間・長距離輸送の負担を軽減し、CO2(二酸化炭素)排出量を削減する。大王海運が運航するRORO船を活用し、和歌山県と連携して6月に試験輸送を行い、今月8日から定期航路として本船が就航した。

花王の和歌山工場から約1キロの距離にある和歌山下津港で、製品を積載したトレーラーを大王海運のRORO船に積み込む。ドライバーはトレーラーヘッドを切り離して下船、貨物部分のみを千葉中央港に海上輸送する。千葉中央港からは別のトラックドライバーがトレーラーに運転車両を連結して、沼南(千葉県)、岩槻(埼玉県)、八王子(東京都)、川崎(神奈川県)の各物流拠点に陸送する。

6月の試験輸送は船社や和歌山県、和歌山市近隣企業や運送会社と協力して実施。今月8日から毎週土曜日のウィークリー配船が実現した。

「今回のモーダルシフトにより、600キロ近い距離を無人で輸送することができるようになった。陸送距離が短いため、ドライバーは日帰りでの運行が可能になる」(同社)。運送費は一部の輸送ルートでは増加するものの、CO2は年355トン削減できる見込み。「ICP(インターナルカーボンプライシング、CO2排出量に企業が独自に値付けして低炭素投資・対策を推進する仕組み)価格の1万8500円/トン-CO2を考慮することで、今回の取り組みが実現した」(同)という。


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