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SCコントロールで在庫回転25%向上 レノボ、スマート化が競争優位性に

Daily Cargo  2023年9月28日掲載

 

レノボは、サプライチェーン(SC)全体の回復力向上のため、SCのコントロールタワー「サプライチェーン・インテリジェンス(SCI)」を開設した。単一の統合型プラットフォームを通じ、企画、調達、製造、納品、品質管理など、あらゆる業務間でのシナジー効果を追求。人工知能(AI)と機械学習を採用したSCIのリアルタイム分析とシミュレーションで、在庫回転率が25%向上したほか、予測精度の強化で、受注から納品までのリードタイムを短縮した。新型コロナウイルス禍など世界市場の混乱を踏まえて、SCでの影響軽減に取り組み、スマート化を通じて競争優位性にもつなげる。

IT(情報技術)調査会社、米ガートナーがSCでの取り組みをランキングで評価する最新版のうち、アジア太平洋地域でレノボが2年連続首位に立ち、このほど、取り組みを発表した。レノボのアジア太平洋地区地域担当プレジデントであるアマー・バブ氏は、「ネットワーク化・自動化されたスマートなSCを構築し、顧客により良いサービスを届けるという当社のコミットメントは、今回の評価によって実証された。課題の多いグローバルなSC環境の中、レノボが人工知能(AI)などの先進技術に投資し、採用することで、顧客とパートナーは、自社の業務効率を最適化し、事業継続性を向上させるとともに、競争上の優位性を獲得できる」と述べた。

同社は、デジタル技術を活用してSCの透明性を向上させるとともに、供給・製品管理に関してより情報に基づく意思決定を実現しているという。デジタルファーストのSCを対象に、5G、IoT(モノのインターネット)、AIなどの最先端技術を活用することでエコシステムのパートナーシップと顧客企業のインタラクション(相互作用)を変革。製品とソリューションの納品を最適化し、より豊かな顧客体験の実現につなげる。

SCを通じたESG(環境、社会、ガバナンス)でのイノベーション促進活動も評価を受けた。世界的な気候変動対応の共同イニシアチブ「SBTi」での検証・認定を受けており、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロ化する目標の一環としてSC領域で100万トン以上の削減を目指している。

今年1月にはキューネ・アンド・ナーゲルが、レノボと共同で同社製品を購入するエンドユーザーに対して、CO2排出量の削減証明書を発行するスキームを構築したと発表した。キューネがレノボの航空輸送で持続可能な航空燃料(SAF)を利用し、その排出削減効果をエンドユーザーが享受できるようにするもの。レノボが販売店や企業契約などで製品を購入するエンドユーザーに対して、商品購入時に排出量削減のオプションを提示する。

レノボはまた、AIを活用した独自プロセスを開発しており、世界の流通領域で高密度の包装資材を特定し、環境に負荷が低い資材に切り替えている。この取り組みでCO2排出量を年間50トン以上削減した。


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