WSC EU関税制度改革を擁護し声明 欧州の貿易で競争力強化へ
Daily Cargo 2025年1月29日掲載
コンテナ船社などで構成される世界海運評議会(WSC)は1月23日、海運・物流・貿易業界として複雑化する世界貿易に対応した通関の改革を求める共同声明を発表した。声明では、欧州連合(EU)が現在進めている関税制度改革について、貿易や安全保障、経済の回復を促進できる好機とし、デジタル改革や官民連携の強化などを進め、競争力のある安全な貿易環境を整える必要性を訴えた。
共同声明は海運やロジスティクス、貿易に関連する23団体が署名した。同声明では、デジタルトランスフォーメーション(DX)と官民パートナーシップの強化を通じて、よりスマートで迅速な国境管理を行うことを求めた。これにより、現在のグローバル経済の課題に対処できる競争力のある安全な貿易環境を確保できるとした。リスク管理を強化し、不正取引を排除することで、貨物の合法的でシームレスな輸送を確保していく。
WSCのジョー・クラメック会長兼CEOは、「貿易がEU経済を牽引する一方で、細分化された税関手続きや複雑な規制など、現在の過剰な負担は、効率的な貨物の移動を妨げ、EUの競争力を低下させている」と指摘。その上で、「EUの関税制度改革は、EUが競争力と安全保障の両方を向上させる重要な機会を提供するものだ。業界は結束して規制の枠組みを改善し、国境において官民が協力することが、ビジネスと国益を守りながらより効率的で安全な貿易を可能にする」とコメントした。
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